皆さんこんにちは。国井です。
2023年もどうぞよろしくお願いいたします。
2021年, 2022年と新年最初の投稿では技術ネタではなく、いつも研修サービスについて触れているので今回はMicrosoft 365にフォーカスしてスキルの習得方法と研修サービスの動向についての私なりの見立てをそれぞれ紹介しようと思います。
Microsoft 365について学習する方法
一次情報に触れることの大切さは誰もが知るところだと思います。しかし、一次情報(=マイクロソフトのオフィシャルサイト)って辞書を読んで英語を勉強するみたいなもので、なかなか頭に入ってこないんですよね..
ですが最近はMicrosoft 365というサービスそのものが市民権を得てきたこともあり、だいぶ世の中に情報があふれてくるようになったと思います。そのことは学習方法の多様化という部分にも表れていて、いつまでたっても読みやすくならないMicrosoft Learnサイト (docsとかつて呼ばれていたオフィシャルサイト) だけを頼りに学習をしなくてもよくなってきています。
具体的には次のようなものがあります。
1.Linkedin Learningに代表されるe-Learning動画の活用
動画で学ぶのが良いのか、テキストで学ぶのが良いのか。
これはその人の好みだったり、その人が生きてきた時代だったりで変わるものですが、もしあなたが動画が好みであればマイクロソフトオフィシャルで提供している「はじめてシリーズ」の動画やLinkedin Learningがおすすめです。
これらの動画は端から順番に見るっていう使い方をしてもいいでしょうし、自分がわからない部分だけをピックアップしてみるって使い方もアリです。設定方法なども動画で紹介してくれるとわかりやすかったりしますが、動画編集に時間がかかる分だけ、動画が公開される頃にはUIが変わってしまっているという欠点もあったりします。
2.Microsoft Learn に代表されるテキストベースのe-Learningコンテンツの活用
Microsoft Learnってマニュアルとして用意されているオフィシャルのページとは別に学習用ページが用意されていて、そこから学習する方法があります。
後でも触れますが、マイクロソフトの認定トレーニングのテキストとしても採用されているので網羅的であるというメリットがあります。しかし日本語ベースで作られたコンテンツではないため、翻訳の精度だったり、言い回しだったり、気になることが多いんですよね。
3.書籍を見ながら自分で動かしてみる
Microsoft 365に関連する書籍も結構増えましたよね。日経BPさんから発行されている書籍だけでも色々なシリーズがあり、取っ掛かりとしてはとても良いものと思います。
(自分も執筆している書籍があるので言いずらいのですが)どの書籍も本当に読みやすく、Microsoft 365の特定分野の知識習得をスタートするには最適なんじゃないかと思います。網羅的でもあると思いますし。あと操作手順もわかりやすく解説しているので、自分でMicrosoft 365の無料試用版などを契約して、書籍を手元に置きながら実際に操作してみて「できた!」って感触をつかんでもらえるのはとても気持ちの良いものだと思います。
4.情シスSlackに代表されるコミュニティサイトの活用
Microsoft 365を題材にしたコミュニティも本当に増えましたね。
オンラインのものであれば情シスSlackに代表されるコミュニティサイトで情報交換したりすることもできるようになりましたし、
あとはスキルのある登壇者をお迎えして勉強会として話をしていただいたり、もくもく会やハッカソンのような手を動かす系のイベントもあったりしてインプットだけでない知識習得の場もあったりと、この辺や動画や書籍などでベースの知識をつけていただいた後に活用する場として良いと思います。
ちなみにこうしたコミュニティ勉強会ってどうやって見つけるのか?ってことを聞かれるのですが、connpassで検索していただくのが最もわかりやすいと思います。
5.認定トレーニングを受講する
認定トレーニングはマイクロソフトがオフィシャルで提供する、体系的な知識を身に着けられる、いわゆる集合研修ってやつです。ただ個人で受講することを想定した価格設定になっていないため、プログラミングスクールに受講しにいくような感覚で利用するものではなく、会社として社内エンジニアのスキル向上という目的のために利用するものになっています。
最近では社内IT管理の内製化が進んでいて、それゆえにMicrosoft 365のスキルを習得しなければならない方がこれまで以上に増えている印象を私は受けています。そのため、認定トレーニングの需要もあがってきているように思うのですが、一方で1~4の知識習得手段があれば認定トレーニングは要らないんじゃないのか?と考える人もいるのではないかと思います。
今日はこの部分について必要性と認定トレーニングの動向、そして今後の在り方を考えてみたいと思います。
認定トレーニングの必要性
認定トレーニングが他の知識習得手段と決定的に異なるのは知識習得にかかるスピードだと私はいつもお答えしています。これだけ動画やテキストなどの知識習得手段があっても認定トレーニングがなくならないかと言えば、それはその人にあったスキル習得ができるからです。具体的には受講される方の前提スキルとしてどこまでのものを持っているのかに合わせた説明ができるので、必要な知識を短い時間で提供できる点がおおきなメリットだと思います。
実際、現在のマイクロソフト認定トレーニングで使われるテキストはMicrosoft Learnなので、有償のトレーニングを受講するメリットって認定トレーナーによる解説でしかないんです。ですので認定トレーナーが受講に来ている人とどのようなコミュニケーションを取りながらトレーニングを進めていくかってところが腕の見せ所だったりします。
認定トレーニングの動向と今後の在り方
ここからはサービス提供サイドの話をします。
認定トレーニングにおける、ここ数年の大きな変化として、マイクロソフト社内の認定トレーナーが登場したこと、トレーニングマテリアルにMicrosoft Learnを利用するようになったことがあげられます。
社内の認定トレーナーが登場したことによるマイクロソフトのパートナー企業で働く認定トレーナーに対するインパクトはやはり「内製化」というリスクでしょう。すべての認定トレーニングが内製化されてしまい、マイクロソフトのパートナー企業で展開するトレーニングが無くなってしまうのではないか?という心配をする方がいてもおかしくないと思います。しかし私は仮にそうであったとしても恐れることではないと思っています。
なぜかと言えば、認定トレーニングだけがお客さんに望まれているトレーニングのすべてではないからです。私が思うにもっと世の中にソリューションベースのトレーニングってあるべきだと思うんですよね。
例えば、Teamsを中心としたサービスで社内のコミュニケーション基盤を作るトレーニングだったり、Microsoft 365を利用してゼロトラストを実現しようというトレーニングだったり。
そうした認定トレーニングでも提供できていないような、お客さんに望まれるものをどれだけ提供できるかが今後のカギになってくると思います。
次にトレーニングマテリアルにMicrosoft Learnを利用する点についてですが、有償のトレーニングを受けにいってWebに公開されているコンテンツがテキストですって言われるの、受講している人、どんな気分なんでしょうね。ネガティブな印象を持つ方、きっと多いのではないかと思います。ついでに言うと操作ガイドもGitHubで提供されているものを利用するので、有償のトレーニングの価値って本当に認定トレーナーの話だけなんですよ。
なので、いかに認定トレーナーの方が受講されている方と向き合って、どのレベルの話をするべきか、どのようなクダリで解説するべきか、どんな知識を習得することをゴールとするのか、こうした丁寧な仕事が求められるようになると思います。
テキストを読み上げるだけの仕事をするような認定トレーナーはこれまで以上にその価値が疑われるようになり、早晩パージされることでしょう。
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私自身、会社をスタートさせてから1年になりますが、パートナーとして一緒にお仕事してくださる方々にも恵まれるようになり、トレーニングコンテンツという点でも色々と提供できる素地が整いつつあります。
今年はこれまで以上に皆様に望まれるコンテンツを提供すること、そして望まれるトレーナーであるために切磋琢磨することを目標にしますので、2023年もどうぞよろしくお願いいたします。