TechEd North America 2010に行ってきました

 
TechEd North America 2010に参加するために、New Orleansまでやってきました。
TechEdは日本でも開催されるし、参加するつもりなのですが、
North Americaでは日本以上に多くのセッションがあるため、
(公式サイトのSession Catalogを見ると、テクニカルセッションやハンズオン、BoFなど、全部で1000以上!!)
是非とも見ておきたいと思い、遠路はるばるやってまいりました。
 
New Orleansは日本から遠い、暑い、湿気が多い、冷房を効かせすぎ?、日本人が少ない??など、
受講の環境としては結構劣悪で、体調管理がとても難しいものがあります。
しかもジャズの街だと聞いていたのに、繁華街で流れる音楽は、なぜかBlack Eyed Peasです。
 
 
New Orleansのセッション会場はとても大きく、
規模も先日私が参加したTEC2010とは比べものにならないほど大きいです。
 
■会場の様子 
 
■TechEdのレジストレーション(参加登録)コーナー
 
いくつかのセッションについて、私の感想を書いておきます。
セッションの詳細な内容については、TechEd Japanを期待してくださいね。
 
 
■Keynote
Keynoteはクラウドの話が中心で、マイクロソフトの各ソリューションが
クラウドとの連携で、どのように活きるかという話に終始していました。
私は8年前にも、TechEdに参加するためにNew Orleansに来たことがあるのですが、
そのときは「インターネットをどのようにマイクロソフトのテクノロジと連携させるか」という
話がメインになっていたことを思い出しました。
マイクロソフトが注力すべき対象がインターネットそのものから、
インターネット上で提供されるサービスに変わってきた、ということですね。
 
Keynoteでは、私はディレクトリサービスに注目していたのですが、
ADFS2.0の話がデモとともに出てきました。
ADFS2.0のデモは、フェデレーション認証を済ませると、パーソナライズされたページが出てきたり、
お買い物をするときの個人情報入力が最小限に抑えられるところなどを見せていました。
仕組みとしては、STSトークンの中に個人情報を入れて、STSからアプリケーションに
情報を引き渡すことで実現するというものですね。
それから、Keynoteでは映画「Avatar」の制作にマイクロソフトのテクノロジが
関わったという話が出てきて(細かい話は聞き逃してしまいましたが)、
James Cameron氏のインタビューなどもありました。
 
Keynoteの様子はTechEd Onlineで見ることができます。
http://www.msteched.com/
 
 
■Breakout Session:Wiretapping Kung Fu:Becoming a Network Analyst Guru
初日のKeynote後のセッションでした。
ちょっと遅れて参加しに行ったところ、廊下まで人が埋まるほどの大盛況!
おかげで話を聞くことができませんでした。
セッションスピーカーはWireShark UniversityでおなじみのLaura Chapellさんなので
仕方がないなぁ、なんて思いながら、セッションルームの外へ出たら、
セッション会場内で、インターネット接続できない状況が発生!
みんな、一所懸命にipconfig /renewコマンドとか叩いているので、
「なるほど、Lauraさんのセッションが盛況なのはそういうことか」と思いました。
 
■Breakout Session:Understanding Claim-Based Applications
An Overview of Active Directory Federation Services(AD FS)2.0 and
Windows Identity Foundation
ADFSを理解する上で必要な用語や概念を解説する、基礎的なセッションでした。
ADFSを学習しようと思ったら、覚えなければならない用語がたくさん出てくるので、
基礎的なことをひとつのセッションで、まとめて学習できるのはありがたいですね。
特に、Windows Identity Foundationがどの部分で必要なのか、などの話を
端的に解説してくれたのはありがたかったです。
 
 
■Breakout Session:Microsoft Forefront Identity Manager 2010: In Production
数少ないFIM2010のセッションでした。
Lab環境からProduction(実運用)環境への移行や、FIM2010の障害対策や
トラブルシューティングについて語る75分で、有益なTipsが多く詰まっていました。
TECに参加したときには、FIM2010の質問はディープなものばかりでしたが、
TechEdのFIM2010セッションでは、「パスワードリセット機能はどうやって実装するのですか?」
など、FIMの基本機能について、質問している人が多かったのが印象的でした。
 
 
■Breakout Session:Understanding the Windows Server 2008 R2 Active Directory
Recycle Bin, Undeletion and Reanimation
ご存知、Active Directory Recycle Binについてのセッションです。
Directory ServicesのエキスパートMark Minasiさんの目には、Active Directory Recycle Bin
という機能がどのように映ったのか、聞いてみたいと思い、参加しました。
新しい話は全くありませんでしたが、ユーモアあふれるセッションでした。
ここでオチを書いたら、色々な方にご迷惑をおかけすることになるでしょうから、
申し上げられませんが(聞きたい人はオフラインでどうぞ)、
とにかく「楽しく学ぶ」って、こういうことを言うんだな、と思いました。
プレゼンテーションの参考にもなるセッションでした。
 
 
■Breakout Session:How to Explain Tech without Tucking Them In!
前述のMark Minasiさんと、SysinternalsでおなじみのMark Russinovichさんによる、
とても豪華なセッションですが、はっきり言ってタイトルの意味はわかりません。
「なんか、スゴそうなセッション」と思って参加したら、
効果的なプレゼンテーションの方法を紹介するセッションでした。
TechEdで、プレゼン技術を解説するセッションって、ずいぶんと斬新ですね。
 
写真は、ふたりのMarkさん
 
セッションでは、「ユーモアを混ぜて話をすることが大事」と説き、
いくつかの(ITの人間にしか笑えない)ネタを披露し、会場は爆笑の渦。
だけど、こうしたジョークって、アメリカ人と日本人では感覚が違うし、
同じ日本人でも、話す人によっては、全く違う話に聞こえます。
なので、ユーモアを交えて話をするって難しいんですよね…
 
あと、Mark RussinovichさんはZoomItを使ってプレゼンをしよう
という話をしていましたが、これはもう、お約束ですね。
 
 
■Breakout Session:Identity and Access Management:
Single Sign-on Across Organizations and the Cloud –
Active Directory Federation Service 2.0 Architecture Drilldown
ADFSの概念について語るセッションが多い中で、このセッションは実装が中心のセッションでした。
新しい技術を学習するときって、とりあえずデモを見たり、自分でいじってみたりすることが多いと思います。
このセッションは、とりあえず自分で使ってみたいという人のために、必要な要素について
解説するセッションでした。このセッション、TechEd Japanでも展開してくれるとうれしいな。
 
 
■Hands-on Labs
TechEd Japanのハンズオンは講義形式になっていますが、North Americaでは
マニュアルを見ながら、自分で勝手に仮想マシンを操作するスタイルとなっています。
いつもだと、「Hyper-Vの使い方を知ってるか?」などとサポートスタッフが
気軽に声をかけてくれるのですが、今年はスタッフが少ないです。。
 
 
ハンズオンはデュアルモニタで、左側に仮想マシン、右側にマニュアルが映るようになっています。
内容は実に豊富なのですが、個人的には、ADFSのハンズオンがなかったのが残念でした。。
 
 
私のTechEd North Americaは、ディレクトリサービスがメインでしたが、
他のプロダクトでは、Keynoteと同様にクラウドとの連携の話が非常に多かったようです。
クラウドとの連携が出てくれば、ADFSの需要も増すはず。
ADFSについて、日本語でも学習できる機会がこれから増えてくると良いですね。
(その機会を作るのは、もしかして私の役割?!)