VSS完全バックアップとVSSコピーバックアップ

 
2011年7月23日画面ショットの修正を行いました。
Windows Server 2008のバックアッププログラム「Windows Server バックアップ」に、
VSS完全バックアップとVSSコピーバックアップというのがあります。
 
VSS0723-1
 
ダイアログを見ると、両者の違いは「アプリケーションログを削除するか?しないか?」とあります。
この点について「イベントビューアのアプリケーションログのことですか?」と聞かれることが多いので、
少し書き留めておきたいと思います。
 
 
ダイアログに書いてある「アプリケーションログ」とはイベントビューアのログのことではありません。
ですので、VSS完全バックアップを実行してもイベントビューアのアプリケーションログは消えません。
では、ダイアログに書いてある「アプリケーションログ」とは何か?というと、
サーバーアプリケーションの中で使われる(トランザクション)ログを示しています。
 
たとえば、Exchange Serverの場合、
メールボックスデータベースに*.edb、ログファイルに*.logというファイルを作りますが、
VSS完全バックアップでバックアップを実行すると、ログファイルは切り詰められます。
 
■Exchange Serverデータベース バックアップ前
VSS0723-2
 
■Exchange Serverデータベース バックアップ後
VSS0723-3
 
このように、VSS完全バックアップを実行すると、ログファイルは切り詰められ、
VSSコピーバックアップを実行すると、ログファイルは切り詰められずにそのまま残す、という違いがあります。
 
私自身は、さまざまなケースで試したわけではありませんが、米マイクロソフトのStorage Team Blog
によると
ログファイルを切り詰める/切り詰めない、についてはVSS Writerが処理を制御しているとのことです。
ですので、VSS Writer対応アプリケーションのデータに関しては、ログファイルの切り詰めの
制御が行われる仕組みになっているようです。
ちなみに、VSS Writerの一覧はコマンドで確認することができます。
 

vssadmin list writers