皆さんこんにちは。国井です。
オンプレミスのActive DirectoryとAzure ADの間でID情報を同期するだけでなく、ADFSサーバーのインストールやSSO環境の構築など、何かと便利な機能を提供してくれるAzure Active Directory Connect (AAD Connect) ツール。だけど、事前準備が整っていないとAAD Connectはあっさりエラーを表示して私たちを切り捨ててくれます。。そんなときにエラーの原因から何が問題でどのような対処をすればよいか?私が見かけたパターンを公開します。
必須コンポーネントのインストールエラーが表示されるパターン
これは、見たまんまのエラーで、エラーメッセージに書いてあるフォルダー内のファイルを削除しましょう。
ちなみにこれが起こるのは、AAD Connectを複数回実行することが原因です。
Install ADFS Certificateエラーが表示されるパターン
これはわかりやすいエラーで、証明書の構成に問題があるパターンです。
用意すべき証明書がADFSサーバーで使用可能なSSL証明書ではない場合に表示されました。
Configure Web App Proxyエラーが表示されるパターン
結構よく見かけるような気がしますが、私が遭遇したパターンはADFSサーバーで使用するSSL証明書がオレオレ証明書という場合。この場合、Webアプリケーションプロキシの[信頼されたルート証明機関]にSSL証明書の情報(認証局の情報)が登録されていない場合に表示されました。
ADFSサーバーの[信頼されたルート証明機関]に登録されていなくても、ADFSサーバーのインストールエラーとはならないのに、Webアプリケーションプロキシのインストール(構成)時には、[信頼されたルート証明機関]が設定されていないと確実にエラーになります。
ちなみに、[信頼されたルート証明機関]にSSL証明書の情報が登録されていない場合は、手動でWebアプリケーションプロキシをインストールして、ADFSサーバーとの信頼関係を設定してもエラーになります。
Configure New ADFS Taskエラーが表示されるパターン
このパターンはADFSサーバーを過去にインストールしたことがあり、手動でADFSサーバーをアンインストールして、再度AAD Connectを実行すると表示されます。
原因はADFSサーバーをアンインストールしても、ADFSサーバーで使用するデータベースは削除されずに残っていることが原因で、新しいデータベースを作れないことにあります。
こういうときは、「ADFS3.0の再インストールするときの注意点」を参考にデータベースの手動削除を行いましょう。
(エラーメッセージを見ていると、他のエラーパターンでも表示されそうな気がするんですけどね)
Configure New ADFS Taskエラーが表示されるパターンPart2
このパターンも、メッセージは異なりますが、最初の「Configure New ADFS Task」エラーと同じです。対処方法は上記のとおり。
Configure New ADFS Taskエラーが表示されるパターンPart3
このパターンは、ADFSサーバーがリモートから追加された後、再起動が要求される場合に出るエラーです。
ADFSをインストールしたサーバーを一度再起動した後で、[再試行]をクリックしてあげると、エラーが解消されます。
Configure New ADFS Taskエラーが表示されるパターンPart4
これは、何が原因の時に表示されたか、忘れてしまいました。。ごめんなさい。
2016年7月19日追記
install-webapplicationproxyのエラー
「フェデレーションサービスとの信頼関係の構築中にエラーが発生しました。リモート名を解決できませんでした。」というエラーも遭遇したことがありますが、このケースの場合は、フェデレーションサービス名の名前解決ができていないことが原因なので、DNSサーバーにフェデレーションサービス名の名前解決ができるようにゾーンとレコードを作成しておきましょう。
最後に
Azure AD Connectのエラーは多種多様です。
ここにあるエラー以外にも、単純にタイムアウトしただけ?というエラーもあり、
そうした原因の追及は、やっぱりログを見ることに尽きます。
エラー画面にログファイルへのリンクがついているので、クリックしてアクセスしてみましょう。
そうすれば、こんな感じでログファイルを参照できます。
ポイントは、ERRORというキーワードで検索すること。簡単でしょ?
(画像が小さいので、文字起こしすると
「AAD Failed. This may be due to replication delay.」とのことです。
えっ、タイムアウト?
と思ったら、Azure AD Connectを再実行してみましょう。
本当にタイムアウトだったら、2度目はうまく実行できるだろうし、
他に原因があれば、他のエラーを出してくれます。(←ちなみに私のケースはこっちのパターンでした)
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誰かのトラブルシューティングに役立てばうれしいですし、
他にもこんなのがあったよ、とか教えていただけたら、もっとうれしいです。