ソフィアネットワークの取締役を退任します

皆さんこんにちは。国井です。
2022年もどうぞよろしくお願いいたします。
今日はお知らせです。2006年に共同創業者として参画した株式会社ソフィアネットワークの取締役を2022年3月末をもって退任することになりました。
IT研修の業界では3か月先を見据えてビジネスの話をします。繁忙期である4月以降の商談においてご迷惑をおかけしないよう、少し早い話ですがこのタイミングでお伝えすることになりました。
2022年4月からはソフィアネットワークを分社化してできた株式会社エストディアンの代表取締役に就任し、引き続きトレーニングサービスを提供することになります。
会社からの正式なアナウンスについてはソフィアネットワークのWebサイトをご覧いただくとして、ここではソフィアネットワークと同じようなサービスを提供するのにわざわざ分社化するのか?今後どのようなことを行うのか?などを説明したいと思います。ご興味がありましたらご覧いただければ幸いです。

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ソフィアネットワークはIT研修サービスの専業の会社、それも教室を持たないで講師を派遣することに特化した会社としてさまざまな研修会社さんと連携しながら15年にわたってサービスを提供してきました。その間、自分が想像していた以上に事業は大きくなりましたし、何よりも様々な才能にあふれるITトレーナーの方々とともに仕事ができたことがとても嬉しかったです。

一方、教室を持つ研修会社さんからの依頼に基づき講師を派遣するというブローカービジネスを主軸とした事業であるのに対して、私自身は様々な方々とお話しさせていただく中で見えてくる課題を拾いあげて新たなトレーニングサービスを作り出すというスタイルの異なるものでした。これまでは両者を共存させながら事業運営してきましたが、KPI、こころざし、会社として目指す方向性のすべてをうまくまとめていくことが難しくなってきたと感じるようになりました。そのため、既存のスタッフとは距離を置いて事業運営をしていくことが適切と判断するに至りました。

今後の株式会社エストディアンの事業運営に関しては「学びという投資に確実な成果を出す」をテーマに次の3つをミッションとして掲げたいと考えています。

1.生産性向上に寄与する会社として

日本は諸外国と比べて労働生産性の低さが指摘されています。新型コロナウイルスの登場によりリモートワークが一気に広がりましたが、大企業と中小企業ではリモートワークの導入率には大きな差があると言われています(内閣府発表「令和2年度年次経済財政報告」より)。リモートワークによる生産性向上は明らかであるにもかかわらず、適切なIT投資ができないことが原因で導入していないのだとしたら、それは残念なことです。デジタルトランスフォーメーション(DX)についても、DX推進室のようなプロジェクトは作ったけど何をすべきか定まらないという話を聞くこともあります。こうした課題に対して私なりに取り組めることと言えば、生産性を向上させ、安全にITを活用していただける仕組みをわかりやすく解説し、導入に対する敷居を下げることではないかと考えました。そのため、生産性を向上させるために適切な投資を行っていただけるような支援をトレーニングを通じて行うことを目標に据えることにしました。
また、参加される方が支払うコストに対して適切なサービスが提供できるよう、多重下請の仕組みに組み込まれるようなビジネスには極力加担しないことを目標としたいと考えています。目に見えない、不適切なブローカービジネスにお客様がコストを払っていては適切な投資とは言えないからです。

2.求められるサービス提供を目指して

日本には既に多くの研修会社が存在します。これらの会社では実に様々な研修を提供してくださってますが、残念ながらこれらの会社でさえも網羅しきれないほどのサービスが生まれ、世の中のニーズも多様化していることが現状です。いまこの記事を書いている時点で言えばMicrosoft 365というサービスがありますが、このサービスひとつ取っても、すべてを理解している人は誰もいないんじゃないないかと思えるほど多くのサービスが存在します。「Microsoft 365 E5のライセンスを買ったけど、何をすればよいか?」こうした相談を時々受けますが、このシンプルな問いに応えられる研修サービスはまだまだ限定的です。こうしたギャップを埋めていくこと、様々なお客様とお話してきた中で登場した課題をより多くの人と共有しソリューションを見つけていくこと、こうした話を私たちが提供する研修サービスを通じて提供できたらと考えています。
また、サービスの提供方法についても同様です。スタディサプリなどの動画で学んできた「動画学習ネイティブ」な方々が日本経済の主役になる時代はもうそこまで来ています。そうなれば求められる研修サービスやITトレーナーの役割も大きく変化していくことになるでしょう。そうした時代に合わせたサービス提供も同時に目指していきます。

3.永続的なサービス提供を目指して

研修サービスの業界ではサービス従事者の高齢化が課題になっています。
かく言う私もこの業界に入って25年になるので、従事できる残り年数は確実に少なくなっています。このことはソフィアネットワーク社でも課題として認識していましたが、そのための具体策はありませんでした。この課題はソフィアネットワークという会社の採用プロセスが.. という話ではなく、業界全体で取り組むべき課題だと考えています。ITトレーナーという仕事があること、フリーランスとして仕事をしやすいこと、自分の行いに対して「ありがとう」と言ってもらえる喜びなど、丁寧に伝えていくことを社会貢献の一環として取り組んでいこうと考えています。
これからは人生100年時代の指南書であるLife Shiftの書籍にある「ポートフォリオワーカー」という発想に基づき、フリーランスで様々な仕事をちょっとずつ実践していきたいと考える方(簡単にいえば副業ってことですかね)も増えるでしょうから、そうした働き方とITトレーナーの相性の良さなどを伝えられればと思います。

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あれこれ並べてきましたが、私自身は会社は変わっても引き続きITトレーナーとして様々なテクノロジーについてわかりやすくお伝えしていくことをしていきますし、このブログも継続していきます

分社化と言いつつ他のスタッフは移管させず、私と新しく採用するアシスタントだけの会社としてスタートするので、リアルぼっちMicrosoft 365 E5テナントができるのがちょっと楽しみ!あと、ぼっちOffice 365テナント間のコンテンツ移行も試してみたらブログに書いて見ようかな?などと夢は広がるばかりです (Microsoft Sentinelのログは移行できないので置いていこうと思い、課金は国井のクレジットカードから引き落としているので、国井が辞めた後はなんとかしてねと言ったら「テナントを削除するから大丈夫ですよ」と言われたのはちょっと悲しかった)。

孤独な感じの会社スタートになりますが、このブログを見てくださっている皆さんがそばにいてくれている、そんな感覚を持ちながら励んでいきたいと思います。

今年も、そして今後ともどうぞよろしくお願いいたします。